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一般人の第九 プロジェクト
パフォーマンスユニット・コスモスは2020年より、ベートーヴェンの「交響曲第9番 合唱付き」をモチーフとした作品群を制作中です。
この楽曲は通称「第九」として、日本でも年末のコンサートを筆頭に、ハイカルチャーからサブカルチャーまで、またコンサートホールからお茶の間まで、幅広く親しまれてきました。
フランス革命の気運高まりし頃、世相を反映して書かれたシラーの詩を、共和制支持者でフリーランスの音楽家の第一世代でもあったベートーヴェンが、合唱付き交響曲という前代未聞の形式でこの世に産み落としたのが、約200年前の事です。
第九はしかし、その先鋭性と演奏難易度の高さから、誰にもまともに扱えない交響曲という位置付けが続き「なんだか訳のわからない、とにかくすごい曲」として、評価の定まらない時代が長くありました。
そして、多くの指揮者や演奏家の解釈と研究により、やっと第九を人々が真っ当に扱えるようになった頃、今度は第九の持つ「音楽の力」を、様々な形で利用しようとする人々が現れます。
「怪獣のようなばかでかくてわからないものをわからないままに」をモットーとするパフォーマンスユニット・コスモスは、第九もまた、怪獣のように「ばかでかくてわからないもの」であると捉えます。
歴史から浮かび上がる、第九という巨大な存在。その魔力や両義性に様々な角度から光を当て、考察と検証を進め、コスモスはそれを連作として発表します。
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